NHKスペシャル「
好きのものだけ食べたい」の続きです。
番組内で千葉県の小学校で行われた1週間にわたる写真による食事調査の
様子が映っていた。
なかなか他人の食事を見る機会はないのだが、
お皿に煎餅等のスナック菓子が載ってるだけとか、
即席焼きそばだけとか、レトルトや冷凍食品はまだ良いほうだった。
番組では肥満の子供の減量プログラムを追っかけていたが、
私が注目した数字は「痩せ」である。
「肥満」だけでなく「痩せ」も増えている。
肥満の子供は20年前の1.5倍、痩せの子供は2.6倍と紹介されていた。
肥満より痩せの方が数字の増加率が多いではないか。
好きなものばかり食べているから偏った食事となり栄養失調で痩せているらしい。
この過食の時代に栄養失調だって!
うーん、これが世の中の現実なのか、
ちょうど今、陰山英男さんの「本当の学力をつける本」を読んでいる。
この中にも家庭における食事の問題が出ている。
この本を読んでいると脳科学の知見を思い出す。
まさにあの時、雑記で書いた通りのことを実践している。さすが!
10年以上前から食事の問題に気が付いて対応してきているわけだ。
この本に書いてあることを少し紹介すると、
諸悪の根源の始まりは「父親の帰りが遅い」事とある。 ズキッ!
父親の帰りが遅い → 母親と子供は先に食事を済ます → 後片付け →
子供の塾の送迎 → 父親の食事の用意 → 後片付け → 生活が夜遅くにずれ込む →
母親の時間的精神的余裕がなくなる → 朝起きれない → 朝食の準備のゆとりがなくなる →
簡単なパン食になる
生活が夜型になり朝寝坊する、一定の睡眠時間を必要とする子供の生活が乱れ、
朝、自然に目が覚める子供が減ったとある。
父親が仕事で帰りが遅いことで家族団欒ならぬ家族散乱と指摘している。
ウウッ、、返す言葉がない、まったくその通り、、
「ゆとり教育」のゆとりが必要な人は「お母様」だったわけだ。
さらに、食事の内容まで言及している。
市販のおやつやインスタント食品の味の濃さに慣れ、ご飯などの日本の伝統的な食品を
受け付けなくなっている。子供の食事は過度に甘いものや辛いものに偏っているとある。
そして、何とか朝食だけは食べさせようとするとき、菓子パンなら食べると言う風に
ありあまる食べ物の中にあって、この偏食が原因で給食に食べたくないものが出たら
残したりトイレに捨てたりと問題が起きていると指摘している。
10年以上も前から判っている問題が現在もまだ繰り返されている訳だ。
やっと食育が叫ばれ、食育基本法が出来たが、どのように各家庭に周知しているのだろうか?
農林水産省などのHP「なぜなに食育」を見てもアンケートによる分析は小学校からだし、
文部科学省等の他の省庁を見ても具体的施策も小学生からに見える。
しかし対応すべきは幼児、未就学児(幼稚園児)じゃないのかな、
この時期の食育が最重要だと思うのだが、
お役所さん、幼児を持つ家庭に対し何かアクションしてますか?
例えばこの6月が食育月間とあるが教育委員会に指示するだけで大丈夫なの?
さて、陰山英男さんの本の中で言っているキーワードをまとめると、
早寝、早起き、朝ごはん、朝の排便、そして読み書き計算である。
うんこは体の作文とはうまく言ったもので、生活習慣、食事の内容などが
しっかりしていないと朝の排便はうまくいかないであろう。
いやいや、鋭い指摘である。
百ますや反復練習ばかり取り上げられるが、出版社やマスコミがいかに見栄えだけ
取り上げるかといういい見本だと感じた。
この本の中にはまだまだ大切なことがたくさん書かれている、また別途紹介したい。